☆ iPS細胞をパーキンソン病、臨床試験スタート | |
☆ 期待したいドラッグ・リポジショニング | |
☆ 特定医療費(指定難病)支給認定申請書 | |
☆ 他人事ではない介護殺人 |
(2018年07月30日)
パーキンソン病の治療に iPS細胞を応用、世界初の臨床試験
が8月1日よりスタートと報じられた。
保険が適応される一般的な治療を目指して行われるのは初めてとiPS研究所、髙橋淳教授、京大病院、髙橋良輔教授グループが発表。
臨床試験に参加したい患者を7人選び年内中に1例目の手術実施、ヒトiPS細胞由来ドパミン神経前駆細胞を線条体(被殻部分)に移植を行い2年間データーを集め安全性、有効性の評価を行こなうと報じられた。
「根治」に繋がる第一歩と期待。
一般的には、運動症状(無動、寡動、震え、すくみ足等々)の症状と報じられていますが、非運動症状(自律神症状、精神症状、認知機能症状)も出現します。当初は、運動症状が目立ちますが、進行すると共に非運動症状に悩まされます。
パーキンソン病の病因は、神経細胞のシナプス前終末でα―シヌクレイン蛋白質の過剰発現により凝集(レヴィ小体)が発生で脳部位に広がり起こるシヌクレイノパチーと提唱されている。
リン酸化したα―シヌクレインが蓄積する脳部位は、
・大脳皮質
島皮質、帯状回、マイネルト基底核、視床下部、偏桃体
・中脳
黒質、動眼神経核、青斑核、迷走神経背側核
・末梢神経系
交感神経節、副交感神経節
・その他
腸管の神経叢、副腎
期待したい治療
・蛋白質の分解機能のユビチキン・プロテアソーム
・核酸医療
(2016年08月01日)
ドラッグ・リポジショニング(Drug Repositioning)とは、
特定の疾患治療薬(既存薬)から別の疾患に有効な薬効を見つけることで、この医薬品は既に安全性や薬物動態の試験が済んでいるため、いくつかの試験をスキップできる。しかし、目的とした効能以外での副作用の可能性も捨てきれない。
事例としては、
① てんかん治療薬(ゾニサミド)がパーキンソン病の
症状に効果が 認められ承認、販売。
② 糖尿病治療薬(メトホルミン)が、がんの治療に効果が
認められ治験中。
③ 高脂血症治療薬(スタチン)が脳梗塞の抑制に効果が
認められる。
④ 狭心症薬(シデナフィル)が男性の性的機能不全
(バイアグラ薬)に効果が認められる。
⑤ 胃潰瘍薬(レバミピド)がドライアイに効果が認めら
れる。
⑥ 心不全の手術薬(カルぺリチド)血管拡張や利尿作用
で心臓の負担を軽減する薬が肺がんの転移率が3割と
減少 して治験中。(血管の中に炎症が起きると
Eセレクチン(接着分子)が血管内表面に発現、
Eセレクチンにがん 細胞が付着することで転移するが、
カルぺリチドが Eセレクチンの発生を抑制るることで
転移を減少さ せる)
近年、関連論文数が飛躍的に増えてきている(2009年約9本、2010年約15本、2011年約27本)、安全性が確認されているため開発期間の短縮が可能。
パーキンソン病に既存薬の効果再発見の論文!!ドラッグ・レポジショニング) の論文で興味深いのがあった。
① 2型糖尿病薬"アディポネクチン"がα-シヌクレインの
凝集 を抑制。
(東京医学総合研究所、パーキンソン病 プロジ ェクト
研究員関山 一成氏の論文、2014年10月発表)
② 肺結核薬"リファンピシン"がアミロイドベータ―、タウ
、 α-シヌクレインの形成を抑える。
(大阪市立大学医学 研究科 脳神経学 准教授 富山 貴美
氏の論文、2016年3月発表)
ご存知のように孤発性パーキンソン病はα-シヌクレインの凝集が原因とされ現時点では対症薬のみですが完治の道が見えてきた。 今後の臨床試験等に期待したい。
薬の効果は本来の作用以外にも副作用を含め複数の作用があり、あらゆる可能性を追求、確認する事は患者にとって有益
現状の創薬期間
約9年~17年間、費用は約1,000億円で結果的に承認される薬は3万分の1程。
・基礎研究(2~3年)、・非臨床試験(3~5年)、
・臨床試験(3~7年)、・厚労省の認証審査(1~2年)、
・承認、販売、販売後調査、試験。
Akira Magazine
〒612-8065
Fhimi-ku Kyoto ctiy