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難病 パーキンソン病患者と共に生きる。

パーキンソン病 介護・症状日誌

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大脳辺縁系のおはなしlimbic system

大脳辺縁系の機能・概略

大脳辺縁系(だいのうへんえんけい)は、人間の脳で情動の表出、食欲、性欲、睡眠欲、意欲、などの本能、
喜怒哀楽、情緒、神秘的な感覚、睡眠や夢などをつかさどっており、そして記憶や自律神経活動に関与しています。
  (詳細は、表の下線の部位をクリック)



大脳辺縁系のおはなし大脳辺縁系のおはなし



大脳辺縁系 の 主な役割 ( 機能 ) 

皮質/辺縁系・部位名  役割  役割
皮質 前帯状皮質 血圧、心拍数、報酬予測、意思決定、共感、情動
といった認知機能に関与。
本能や
自律神経、
記憶を司る。

(感覚的思考) 
大脳辺縁系   帯状回 呼吸器の調節、意思決定、共感、感情による
記憶に関与。
扁桃体 恐怖感、不安、悲しみ、喜び、直観力、痛み、記憶、
価値判断、情動の処理、交感神経に関与。
海馬 目、耳、鼻からの短期的記憶や情報の制御。
恐怖・攻撃・性行動・快楽反応にも関与。
海馬傍回  自然や都市風景など場所の画像のような
地理的な風景の記憶や顔の認識に関与。
 側坐核   快感を司っています。(GABAの産生が最も主要)




前帯状皮質

前帯状皮質 ( 血圧・心拍数・情動に関連する部位 )

前帯状皮質(ぜんたいじょうひしつ)は、血圧や心拍数の調節のような多くの自律的機能の他に、報酬予測
 、意思決定、共感や情動といった認知機能に関わっているとされています。前帯状皮質が持つそれぞれの
 機能は、実行 (前側部)、評価 (後側部)、認知 (背側部)、情動 (腹側部) の4つの領域に分けられます
 前帯状皮質は前頭前皮質と頭頂葉の他、運動系や前頭眼野とも接続して、刺激のトップダウンとボトム
 アップの処理や他の脳領域への適切な制御の割り当ての中心的役割を担っています。
 大脳辺縁系のおはなし
前帯状皮質の位置
出典画像:Anatomography



帯状回

帯状回 ( 感情形成・呼吸・感情による記憶に関連する部位 )

帯状回(たいじょうかい)は、大脳新皮質の内側面において、脳梁の辺縁を前後方向に位置します。
 領域の下端が脳梁溝で、領域の上端が帯状溝で区切られています。
 帯状回は大脳辺縁系の各部位を結びつける役割を果たしており、感情の形成と処理、学習と記憶に関わりを
 持つ部位。また、呼吸器系の調整感情による記憶にも関わりを持つています。
 帯状回は視床、大脳皮質の体性感覚皮質領域からの入力を受けています。
 また、帯状回の下部は、帯状束という白質繊維の束があり、大脳辺縁系の各領域を結びつける役割を果た
 しています。帯状束は、矢状方向(体の前後方向)で脳梁に沿いながら、前部帯状回、後部帯状回、
 海馬傍回を連絡。
        大脳辺縁系のおはなし 
   帯状回の位置
   出典画像:Anatomography
記憶に関わる神経回路はPapez回路と呼ばれ、帯状回が興奮する事で海馬 → 海馬采・脳弓 → 乳頭体
(乳頭体視床路を通る)→ 視床前核 → 帯状回 → 海馬傍回 → 海馬体を結ぶ経路で持続的に興奮する事で
情動が生まれ記憶に関与する事が知られている。(パペッツ回路)




偏桃体

扁桃体 ( 情動反応に関連する部位 )

扁桃体(へんとうたい)は、神経細胞の集まりで情動反応の処理と短期的記憶において主要な役割を持ち、
 情動・感情の処理(好悪、快不快を起こす)、直観力、恐怖、記憶形成、痛み、ストレス反応、特に不安や
 緊張、恐怖反応において重要な役割も担っています。

 味覚、嗅覚、内臓感覚、聴覚、視覚、体性感覚など外的な刺激を嗅球や脳幹から直接的に受けています。
 また、視床核(視覚、聴覚など)を介して間接的に受け、大脳皮質で処理された情報および海馬からも受け
 取っている。偏桃体は、側頭連合野(前方部)、眼窩前頭皮質、海馬、帯状回と相互的に結合が密接。

 うつ病発症のメカニズムとして、強い不安や恐怖、緊張が長く続くと扁桃体が過剰に働きストレスホルモン
 が分泌され長く続く事により神経細胞が萎縮して他の脳神経細胞との情報伝達に影響し“うつ病” 症状が発現
 すると考えられています。
 また、記憶固定 (memory consolidation) の調節にも関わっていて、学習した出来事の後に、その出来事
 の長期記憶が即座に形成されるわけではなく、むしろその出来事に関する情報は、記憶固定と呼ばれる処理
 によって長期的な貯蔵庫にゆっくりと同化され、半永久的な状態へと変化し、生涯に渡って保たれる。
 例えて言うと衝撃的な出来事が起こると、その出来事は海馬を通して大脳に記憶として生涯的に残ります。
 また、衝撃的な記憶を反復して思い出す事により扁桃体が過剰に働くことも知られていて記憶の反復により
 書き換えられているという説もあります。 

 扁桃体の役割は、海馬からの視覚だったり味覚だったりそういう記憶情報をまとめて、それが快か不快か
 (好き嫌い)を判断。何かの行動が快不快感情を生んで、その情報を海馬へと送るというように、海馬と
 扁桃体は常に情報が行き来しています。この行き来に関しては海馬傍回がその中間として働いています。
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   扁桃体の位置
   出典画像:Anatomography
神経結合は、扁桃体から視床下部に対しては交感神経系の重要な活性化信号を、視床網様体核に対しては
反射亢進の信号を、三叉神経と顔面神経には恐怖の表情表現の信号を、腹側被蓋野、青斑核と外背側被蓋核にはドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリンの放出の信号を出しています。

痛みやストレス状態になると扁桃体が興奮。前頭前野は扁桃体の興奮を鎮めるが、痛みストレスが継続的に
起こる場合は、扁桃体が興奮しっぱなしとなると痛みが増幅され血圧上昇、不眠となる。体に触れることにより視床下部で合成され下垂体からオキシトシンを分泌させることにより扁桃体の興奮を鎮静化。

情動(感情)に関連した回路としてヤコブレフ回路が知られている。
扁桃体 → 視床背内側核 → 前頭葉眼窩皮質後方 → 側頭葉前方 → 扁桃体という閉鎖回路をYakovlevの回路
または基底・外側回路と言います。

パーキンソン病の運動症状の出現は、Braak仮説によると、抗α−シヌクレイン抗体を用いて高齢者の中枢
神経系におけるLewy小体の分布を詳細に検討し、Lewy小体はまず嗅球に出現、迷走神経背側核(延髄)、
視床、その後、下部脳幹(橋)、中脳黒質、扁桃体へ上行進展して発現させる。
また、Zaccai博士の報告によると扁桃体に優位にLewy小体が分布しているとの報告もある。



海馬

海馬・歯状回 ( 記憶、情動、本能、統合失調症に関連する部位 )

海馬体(かいばたい)は、記憶や空間学習能力に関わる脳の器官で、動脈血量の減少による局所の貧血
 (虚血)に対して非常に脆弱であること、ストレスに対しても非常に脆弱であるとされ、心理的・肉体的
 ストレスの負荷により長期間コルチゾールの分泌されると神経細胞の萎縮を引き起こします。心的外傷後
 ストレス障害(PTSD)、うつ病の患者にはその萎縮が確認され、統合失調症との関連が指摘されています。
 また、最近ではストレス負荷が海馬 歯状回における神経新生を阻害することで海馬機能に変化を与え、
 記憶・学習能力・情動行動制御に関与していること、未来を創造する時に活性化することが示唆されて
 います。

 海馬の主細胞 (錐体細胞, 顆粒細胞) が周期的に興奮すると、長期増強反応 (LTP) が最も効率よく発生します
 。 海馬においてシータ波(θ波)は記憶情報の固定に最適の条件を提供します。
 海馬にシータ波(θ波)を発現させるのが内側中隔核、対角帯核アセチルコリン神経で、GABA入力により
 シータ波(θ波)を発現。
 セロトニンやノルアドレナリンはレム(REM)睡眠を抑制します。レム(REM)睡眠を誘発するアセチルコリン
 神経を活性化した場合はシータ波(θ波)は出現しない。
 正常だとアルファー波(α波)が高く、シータ波(θ波)が低い。働きが悪いとアルファー波(α波)が低く、
 シータ波(θ波)が高いと知られている。また、シータ波(θ波)が高くなると認知症と考えられています。

 アルツハイマー病の主原因は、海馬(CA1)の萎縮から発症し、やがて大脳皮質の前頭葉の一部部位の萎縮して
 、記憶障害、論理的な思考に影響を及ぼします。
 萎縮に対しての病因は、神経細胞の変性により起こります。 神経細胞が分泌したアミロイドβ蛋白質が蓄積
 され神経細胞のシナプスを破壊して(アミロイドβ蛋白質の固まりははシナプスにとって毒性が有る)、
 その後、神経細胞の中にタウ蛋白質が沈着(神経原線維変化)により神経細胞が変性を行い萎縮が始まり発症
 すると報告されています。
 アミロイドベータ蛋白質の蓄積は、発症前25年前、タウ蛋白質の沈着は15年前、海馬の萎縮は、5年前から
 始まり発症すると米国ワシントン大学をリーダーとするDIVAN研究チームが示唆しています。

 最近、リハビリテーションにより海馬では、新しい神経細胞を生み出す事が可能と解ってきました。
 (運動により神経成長因子「VGF」の分泌を促進される遺伝子の働きが活性化する事が判ってきました。
  VGFとは、海馬の神経細胞の修復や成長に関与する物質)

 アルツハイマー病の現因とされる蛋白質の凝集を抑える食べ物としては、中鎖脂肪酸、ビタミンE、
 クルタミン(ウコンに多く含まれる)、カテキン(緑茶に含まれる)、ポリフェノール(ワインに含まれる)
  、オメガ3脂肪酸(青魚に含まれる)があります。
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   海馬の位置
   出典画像:Anatomography
記憶を司る海馬は、目、耳、鼻(日常生活)から記憶のもととなる情報を全て海馬に一度集められ最終的には
海馬によって大脳新皮質で永久保存されます。海馬は記憶の定着に重要な役目を果たしています。
海馬を活性化することにより、学習能力アップに繋がります。

海馬は、3つの部位からなり、(CA1、CA2、CA3)CA3野の錐体細胞は歯状回からのシナプス入力を
    受けている部位です。

歯状回、顆粒細胞(Granule Cell)と呼ばれる細胞の層を持ち、その外側は分子層と呼ばれる。顆粒細胞は
     比較的小型の細胞であり、樹状突起を分子層側に、軸索を海馬のCA3領域の内側に向かって伸張
     されています。この軸索は苔状繊維とも呼ばれています。

記憶に関わる神経回路はPapez回路と呼ばれています。帯状回が興奮する事で海馬 → 海馬采・脳弓 → 乳頭体(乳頭体視床路を通る)→ 視床前核 → 帯状回 → 海馬傍回 → 海馬体を結ぶ経路で持続的に興奮する事で情動
が生まれ記憶に関与する事が知られている。(パペッツ回路)
情動・本能などに関与するほか、恐怖・攻撃・性行動・快楽反応にも関与。



脳弓

脳弓・乳頭体 ( 時空間の記憶に関連する部位 )

脳弓(のうきゅう)は、海馬体から出て乳頭体、中隔核に至る神経線維束で、脳梁の下で左右対をなして
   弓形の形をしていて、脳弓柱、脳弓体、脳弓脚および海馬采に区分されます。

乳頭体(にゅうとうたい)の入力は、海馬・視床下部・中脳から入力が有る。出力は、視床・中脳へ出力され
    る。記憶を司る重要な記憶回路としてPapezとYakovlevが知られています。

Papez回路:海馬 → 脳弓 → 乳頭体 → 乳頭体視床路 → 視床前核 → 帯状回(24野) → 海馬という閉鎖回路
       を形成。持続的に興奮する事で情動が生まれ記憶に関与する事が知られている。

Yakovlev回路:側頭葉皮質前部(38野) → 扁桃体 → 視床背内側核 → 前頭眼窩皮質 → 鉤状束 → 側頭葉
        皮質前部という回路を形成。

記憶に関連する他の脳部位として、前脳基底部のマイネルト基底核、ブローカ対角帯、内側中隔核かあり、
アセチルコリン神経(ACh)の起始核(産生部位)です。

コルサコフ症候群の責任部位として乳頭体が中心部位とされている。見当識、記銘障害、健忘、作話を主症状とする健忘症候群、記憶の障害、思考障害や時空間秩序の混乱に及ぶ疾患。
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   脳弓・乳頭体・中隔核の位置 
   出典画像:Anatomography



海馬傍回

海馬傍回 ( 風景・場所の画像の認識、記憶に関連する部位 )

海馬傍回(かいばぼうかい)は、海馬の周囲に存在する灰白質の大脳皮質領域。この領域は記憶の符号化
 及び検索において重要な役割を担っている。この領域の前部は嗅周皮質 (perirhinal cortex) 及び、
 嗅内皮質 (entorhinal cortex) を含んでいます。
 海馬傍皮質(海馬傍回の後部)の下位領域で (顔や物体ではなく) 風景の認知に重要な役割を持ち、
 この脳領域は自然風景や都市風景などの画像 (場所の画像) 、地理的な風景の刺激を呈示された際に高い
 活動を示します。
 損傷した場合は、風景の中にある個々の物体 (人や家具など) は認識出来るにも関わらず視覚的に風景を
 認識出来なくなるという症状を起こします。
 また、顔に対して特異的に活動する皮質領域で顔認知に重要な役割を持つと考えられています。
 (紡錘状回顔領域 (Fusiform face area) と補完しあう関係にあると考えられています)

 記憶に関わる神経回路はPapez回路と呼ばれています。帯状回が興奮する事で海馬 → 海馬采・脳弓 →
 乳頭体(乳頭体視床路を通る)→ 視床前核 → 帯状回 → 海馬傍回 → 海馬体を結ぶ経路で持続的に興奮
 する事で情動が生まれ記憶に関与する事が知られている。(パペッツ回路)
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   海馬傍回の位置 
   出典画像:Anatomography



側坐核

側坐核 ( ”やる気” 伝達物質GABA産生の部位 )

側坐核(そくざかく)は、約95%は、GABAの産生が最も主要なもので、快感を司っています。
 側坐核からは腹側淡蒼球(ventral pallidum)にGABA作動出力。
 (セロトニン1B受容体が、側坐核と腹側淡蒼球という “やる気” に関わる2つの領域で活性化)
 その後、腹側淡蒼球からは視床の背内側核に出力、視床背内側核は大脳新皮質の前頭前野に出力。
 腹側被蓋野からのドーパミン入力は側坐核の神経活動を調節すると考えられ、嗜癖性の高い薬物(コカイン
 やアンフェタミンなど)は側坐核においてドーパミンを増加させることで嗜癖作用を有する。
 (痛みを和らげる作用もあるとされている、脳内麻薬)また、ドーパミン受容体D3の発現量が多い。
 
 他に黒質、脚橋被蓋核(脳幹に位置する神経核、橋)へ出力。
 側坐核への主な入力としては、前頭前野、扁桃体、海馬、腹側被蓋野。
 側坐核は皮質−線条体−視床−皮質回路の一部としてみなされています。

 腹側被蓋野からのドーパミン分泌量を抑制する事により幻覚・妄想を抑制できます。
 下垂体からオキシドシンが分泌すると扁桃体では警戒心が緩和され、側坐核では、快感が生まれ愛着の情動
 が出現すると考えられています。
側坐核の位置図

側坐核の位置図とドーパミン投射部位


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